


本記事は、こういった数学を学び直してみたい社会人に向けた内容です。
数学を受験で使った人はそうでない人より年収が平均で90万円も上がるというデータもあるように、数学を学ぶことは社会人のあなたに大きなメリットをもたらします。
筆者情報
- 現役経理部員として数字を扱っています
- 数学受験で慶應義塾大学経済学部に合格し、計量経済学を専攻しました
目次
社会人が数学を学び直すことのメリット
学生時代にあまり数学を勉強してこなかった人・数学を勉強してから長い時間がたって忘れてしまった人が数学を学び直すことのメリットは数多くあります。
営業や経理などの事務系職の人にとってのメリット
事務系の職種の人が数学を学ぶことの最大のメリットは、論理的思考を身に付けられるということです。
営業職であれ、経理などの内勤であれ、全ての仕事は細かい手順の積み重ねです。
仕事を正確に速く行うためには、一連の仕事を各要素に分解して、様々な場合を想定することが有効です。
例えば、「手順Aをまずやって、それがXという結果なら手順Bに移り、Yという結果なら手順Cに移る」のようにです。
また、売上などの数字の増減要因を分析する場合は、各商品・販売チャネル・販売地域など様々な要因に分けて考える必要があります。
このような論理的思考はまさに数学的な思考であり、数学の学習を通して身に付けることができるのです。
作成資料の上司に見せた時の「なんで?」という質問への対応力も増します。
さらに、高校数学を学ぶことで本格的な統計学の基礎も固まるので、統計学を深く学んでデータ分析のスキルを圧倒的成長させることもできます。
AI・機械学習の学習をしたい人にとってのメリット
AIや機械学習の学習をしたい人が数学を学び直す最大のメリットは、線形代数の基礎知識を学べるということです。
そもそも機械学習の基礎となるのが大学で理系学生や経済学部生が一年生で学ぶ線形代数という大学数学ですが、その基礎となるのが高校数学の二次方程式・ベクトル・行列などです。
こういった意味ではAI・機械学習の勉強をする人にとって、高校数学までの学び直しは必須と言えます。
また、プログラミングのアルゴリズムを考える際も、数学Bの数列や数学的帰納法などの高校数学の考え方が役立ちます。
学生時代に数学はやったという方も、時間がたって不安な場合は、高校数学を学び直すことでスムーズに機械学習の勉強を進めていけるでしょう。
社会人におすすめな数学の学び直し方
まずは数学の概要を理解する
まずはスピーディーに一通り数学の教科書的な内容を学びましょう。
基本的には高校数学の数学1→数学A→数学2→数学Bの順番で進めます。
数学1の段階で全く分からないという場合は、中学の数学から始めるといいです。
また、機械学習・AIを学びたいという方や、大学レベルの統計学を学びたいという方は、数学Bを学んだあとに数学3まで学ぶようにしましょう。
楽に速く学習したいという方はスタディサプリがおすすめ
スタディサプリは学生だけでなく、社会人が数学を学び直す際にも使えるコスパ最強の教材です。
スタディサプリについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>スタディサプリ高校・大学受験講座の全体像【料金・評判・講師など】
小学校~高校数学までの授業が無制限で見られるので、ご自身の用途に合わせて使うことができます。
また、すでに知っている範囲は飛ばしたり二倍速で流し、理解しづらい範囲は動画を止めてじっくり考えるという使い方ができるのが嬉しいところですね。
社会人が学び直しで使う場合は、スタンダードコースの授業を視聴するのがおススメです。(追加料金無しで他のレベルの授業も見放題なので、ご自身のレベルに合わせて適宜調整してください。)
学生じゃなくてもスタディサプリ高校講座に入会できるのでご安心を。
紙で学びたいという方におすすめの参考書
『高校の数学I・Aが1冊でしっかりわかる本』がおすすめです。
数学特有の単語や考え方を丁寧に解説してくれるので、数学に全く触れたことがない方でも学べる構成になっています。
同シリーズには中学バージョンもあるので、高校数学以前にさかのぼって学びたいという方にもおすすめです。
また、2Bでおすすめは『よくわかる数学Ⅱ・B』です。
センター試験レベルを想定した参考書なので、難しくて理解できないということも起こりにくいです。
問題を解いて使える知識にする
動画や書籍で高校数学の概要を押さえたら、実際に使えるレベルにするために問題を解いて理解しましょう。
スタディサプリであれば、テキストをダウンロードして問題を解きましょう。
書籍であれば、単元の後ろにある練習問題を解きましょう。
社会人の学び直しの場合、基本的にはこれで十分です。
問題が不足していると感じたり、趣味として問題を解いてみたい方は、別で問題集を購入してみてもいいでしょう。
その場合のおすすめは『基礎問題精講』です。
受験数学の定番とも言える書籍なだけあり、解説が分かりやすくストレスが少なく問題演習ができます。
【目的別】社会人が力を入れて学ぶべき単元
数学は各単元がお互いに関係し合っているので、まずは数1〜数Bまでの全体を学ぶことをおすすめします。
体系的な理解につながります。
その上で、自分が数学を学び直す目的に合わせて必要なところを重点的に学びましょう。
営業や経理などの事務作業で数学を活かしたい人
数学Bの統計の範囲を学ぶとあらゆる業務に活かせるのでおすすめです。
売上などの莫大な量のエクセルデータを扱う際に役立ちます。
データを扱うときは誰でも平均は考えると思いますが、分散・標準偏差・中央値などを考えることは少ないのではないでしょうか?
売上などの増減要因を分析する際に、分散などを使えると考えやすくなりますし、説得力のある説明が出来るようになりますよ。
統計学を学びたい人
統計学をしっかり学ぼうとすると、高校数学の微分積分・数列・ベクトルなど広範な知識が必要になるので、まずは数1~数3まで一通り学ぶことが望ましいです。
しかし、「そんな時間ないよ!」という方は、数学Bを重点的に勉強しましょう。
統計学では数列・ベクトルが頻繁に登場します。
Σや∫などの記号に慣れる必要もあるので、数Bの数列・ベクトル・統計の範囲をやっておけば効果的です。
機械学習・AIの学習をしたい人
機械学習を勉強するためには高校数学を学んだ上で、さらに線形代数を勉強する必要があります。
高校数学の全体像を把握していないと線形代数も理解しにくいので、まずは数1~数3まで一通り学びましょう。
しかし、どうしても時間がないという方は、数Bの数列・ベクトル、数3の行列を重点的に学びましょう。
線形代数はベクトルの集合体である行列を扱います。
そのための基礎が高校数学の数列・ベクトル・行列で押さえられます。
社会人のスキルアップのために数学を学び直そう!
数学の問題を筋道立てて考えることは、ビジネスで必要な論理的思考そのものです。
また、今後需要が増すであろうデータ分析や機械学習のスキルには高校数学の知識が必須です。
冒頭でも述べたように、数学をしっかり学んだ経験がある人はそうでない人より年収が90万円もアップするというデータもあります。
自己啓発として何か勉強しようと思っている方、統計学などのデータ分析や機械学習に興味がある社会人の方は、数学を学び直してみてはいかかでしょうか?
ビジネスに直結する簿記について学びたい方はこちらの記事をご覧ください。